2016.10.12(水) - 29(土)
ブリッジシアター/ダンスボックス アーカイブ プロジェクト オープニングプログラム 「nước biển/sea water」特別展示上映
イベント 主催事業2016.10.12(水) - 29(土)
ブリッジシアター/ダンスボックス アーカイブ プロジェクト オープニングプログラム 「nước biển/sea water」特別展示上映
イベント 主催事業ダンスボックスは1996年に発足し、今年20年目を迎えます。
20年の軌跡として、過去20年間の上演作品の映像を整備しており、2017年2月にアートエリアB1にて、時代ごとにセレクトした映像を上映・公開します。
そのプロジェクトのオープンを記念して「nước biển / sea water」(製作・出演/松本雄吉、ジュン・グエン=ハツシバ、垣尾優)を公開します。この作品は、塚原悠也のディレクションで「KOBE-Asia Contemporary Dance Festival #3」において2014年に製作され、その後、東京都現代美術館「東京アートミーティング第5回 新たな系譜学をもとめて」において再演されました。
神戸市の長田港や東京湾からくみあげた海水と、身体のなかに存在する水分のあり方、またその親和性にヒントを得た本作品は、参加作家の記憶や家族との関わり、循環する水のあり方と仏教的な死生観を頼りに製作が進められました。
残念ながら、今年6月に永眠された松本氏の最後の出演作となってしまいましたが、その考えの多くをご自身で多く語る作品でもありました。今回の展示では、2か所の編集された映像と、作品にまつわるモノや記憶も少し公開する予定です。
【ディレクターコメント】
舞台芸術の世界で「アーカイブ」という言葉が重要性を持ち始めしばらく経ちました。記録や情報の蓄積をどのように未来に向けて保管し、取り出すのかという議論が多くなされてきたかと思います。メディアの変化やインターネットの速度の発達によっても状況は刻一刻と変遷しています。そもそも複製が不可能である身体行為は昨今の技術で「アーカイブ」されうるのかという話もあります。しかし一方でそういった話題とは別に、ふと思い立って本棚からごく自然な振る舞いで本を取り出すような仕草もこういったアーカイブ論に織り交ぜてもいいかもしれないと思い始めました。今年松本さんが亡くなられ、しばらく経つとともにダンスボックスが持っているこの記録映像をみんなに見てもらいたいと思った時に、もしかしたらこういう感情が「アーカイブ」というものに一番必要なのではないかとふと思いました。
記録映像は常に(!)過去のものを映しますが、それは同時に、無情なまでに無くなってしまったものも映しています。作品や場所だけでなく、今はいない人の動きや声を見ることができ、またそれを共有しさらに多くの記憶を掘り起こすことも可能です。つまり「アーカイブ」における緩やかで感情的な流暢さというものが今後さらに必要とされるかもしれません。
ディレクター 塚原悠也
【クロージングトーク】
10/29(土) 14:00〜16:00
「アーカイブを見透かしてみるダンスの過去・現在・未来」
「Nước biển / sea water」の共同製作者の垣尾優さんと、舞台芸術批評にも携わる高嶋慈さんを迎え、NPO法人記録と表現とメディアのための組織[remo]から久保田テツ、ダンスボックスの20年間の活動に携わる文、当企画ディレクターの塚原悠也が舞台芸術作品の制作プロセスを含めた記録・記憶のアーカイブについて、またその活用について様々な角度から話します。
ゲスト:垣尾優(アーティスト)、高嶋慈(京都市立芸術大学芸術資源研究センター研究員)、久保田テツ(アートエリアB1運営委員)、塚原悠也(アーティスト)、文(ダンスボックス事務局長)
■企画お問い合わせ
【NPO法人 DANCE BOX】
TEL 078-646-7044 / FAX 078-646-7045
お問い合わせは お問い合わせ全般
■会場お問い合わせ
アートエリアB1
TEL : 06-6226-4006(12:00〜19:00)
※月曜休(祝日の場合は翌日)、年末年始休館
※車いすでお越しの場合は、予め、お問い合わせをお願いいたします。