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2018.4.26

2018年度公演プログラム

DIRECTOR NOTE

  • 「 2018年度プログラムについて」  プログラム・ディレクター 横堀ふみ

     2018年度は、ダンスボックスの事業の一つの柱であった「国内ダンス留学@神戸」をお休みします。この一年をダンスボックスの活動を次のフェーズへと運んでいく年とし、新たなプログラムと共に、作品を生みだす場・リサーチや実験する場・身体をつくる場のような、風通しのよい<つくる場>を拡張することを志向します。移ろっていくことを内包させることのできる、そして、いろんな方々による多様な関わりの中で生成される、柳に風のような基盤を、この一年を通して試行しながら編みだしていきたいと考えています。

     

    新たなプログラム、アソシエイト・アーティスト制度の導入について

     「アソシエイト・アーティスト」制度を新たに設け、3年間にわたって活動を共にすることを志向します。

     「アソシエイト・アーティスト」の<ダンサー枠>に、「国内ダンス留学@神戸」1期生の<中間アヤカ>を選出しました。昨今ではチェルフィッチュやcontact Gonzo等のさまざまなカンパニーと協働してきた中間アヤカと、ダンサーの仕事を生みだすこと、ダンサーだからこそ立ち上げることのできる事象を見ていきます。中間アヤカは、千日前青空ダンス倶楽部、モノクローム・サーカス、アートキャバレー等に出演を予定し、3月に単独公演を実施します。

     「アソシエイト・アーティスト」の<カンパニー枠>は、この度、<公募>いたします。カンパニーという集合体が編み出すことのできる可能性を捉え直してみたい。2月に単独公演の開催を計画しています。奮ってのご応募をお待ちしております。(公募5月/公演2月)

踊りに行くぜ!!」セカンドvol.6 神戸公演 より

 

  • 滞在型(レジデンス)プログラムの拡充について

     国内外のアーティストを対象としたレジデンス・プログラムを、4ヶ月を一クールに実施します。複数のアーティストがレジデンスし、その過程や成果をなんらかの形で共有する場をもちます。4月〜7月は、アラン・シナンジャ、宮北裕美、山本和馬の3組を予定。(現時点では、アラン・シナンジャは、継続してアフリカンダンス教室、新たに「アフリカン・コンテンポラリーナイト」を実施、宮北裕美はワークインプログレスの実施が決定しています。)

     引き継ぎ、海外のアーティストを対象としたレジデンス事業も開催。下町芸術祭 パフォーマンス・プログラムのコンセプトを引き継いだ「文化の移動・移植、移民をめぐる芸能やアート」をテーマに世界公募します。(公募:5〜6月/事業実施1月)

  • 国内ダンス留学@神戸6期『成果上演』 Alain Sinandja振付作品「Who is behind?」より
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    公演事業について

     日米の舞台芸術交流ネットワークの構築を目指すNational Performance Network(NPN)の国際プログラム「U.S.-Japan Connection」の一環で実施するダレル・ジョーンズによる公演。アメリカのゲイカルチャーから生まれたヴォーギングから着想を得た独自のスタイルを編み出しているダレル、2017年5月の新長田での滞在制作を経ての新作発表です。(8月)

     ダンスボックス・ソロダンス・シリーズは第3回を迎えます。今回は、関西を拠点とする<垣尾優>に新作を委嘱します。既存のダンススタイルに囚われず、特異な視点からダンスを遊ぶような表現を開発し続ける、独特な存在感を放つダンサーです。(2019年3月)

     カンパニーとdBの協働公演「踊りの火シリーズ」では、モノクローム・サーカスと千日前青空ダンス倶楽部。千日前青空ダンス倶楽部は、これまで古民家など特異な空間を生かした上演を重ねてきましたが、8年ぶりの劇場空間での新作公演です。(9月)モノクローム・サーカスは、坂本公成と森裕子のデュオ作品に立ち戻り、三作品の同時上演。うち一作品は若手ダンサー(中間アヤカ、山本和馬)に手渡されます。(12月)

ダレル・ジョーンズ 長田港にて

 

  • 劇場の中と外、様々な世代やコミュニティを往還する事業について

     「国内ダンス留学@神戸」はお休みですが、「子どもダンス留学@神戸」を新たに行ないます! 子ども版があれば!といった地元からの要望もあり、夏休みに本気にダンスに取り組む、攻めたプログラムを行ないます。(8月)

     昨年度より始動した「紳士・淑女の音楽サロン」では、幅広く深い音楽の知識を持つ案内人が、音楽の旅をエスコートする時間です。今年度は劇場をダンスホール化することも企んでいます。(10月、12月、2019年2月)

     新長田のスペシャルな2つの場所で「アートキャバレー」。ダンスが織りなす幻想的な時空に酔いしれる一夜を演出します。(10月)

     出前ダンスプロジェクトも引き続き実施します。今年度は、小学校や児童館等に持ち運べる<ダンス作品+ワークショップ>のプログラムをつくります。(通年)

     6年目となる長田区との協働事業「踊るまち新長田構想」も続行します。今年度はエクササイズDVD「踊るまち新長田」が出来上がったので、長田各所にお届けに参ります。(通年)

     「下町芸術大学」は下町芸術祭2017のプレ企画として、地域とアートをより楽しく深く学ぶ場として、スタートしました。様々な世代の、様々なバックグラウンドを持つ人が、主体的に暮らしを考えることのできる場として継続して行ないます。(通年)

     最後に、コアなファンを獲得し続けているフリーペーパー「長田ルンバ」も今年も元気に発行します。(通年)

  •  2017年度プログラム「紳士淑女のための音楽(&ワイン)サロン」

     

  • アーカイブ・プロジェクトについて

     vol.0、vol.1を経て、今回vol.2となるアーカイブ・プロジェクトでは、黒沢美香&大阪/神戸ダンサーズ「ジャズズ・ダンス」を取り上げます。企画運営メンバーは、平岡久美、北村成美、きたまり、福岡まな実、中間アヤカ+dBスタッフで構成します。“大阪/神戸ダンサーズを通して探る黒沢美香のダンス・メソッド”をコンセプトに、3回の公開ミーティングを経て、展示プログラムへと紡いで行きます。(公開ミーティング 6月・7月・8月/展示2月)

     そして、寺田みさこ「三部作」、筒井潤「滲むライフ」を再演に向けて進めていきます。筒井潤「滲むライフ」は、年間を通じてリサーチを続行し、リ・クリエーションを行ないます。

     協働事業も実施します。「照明研究会」(5月)、「国際ダンス映画祭(東京造形芸術大学)」(6月)、「城山虎舞(大阪市立大学)」(6月)、他。

    2017年 Asia-Contemporary Dance Festival 筒井潤+新長田ダンス事情『滲むライフ』
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     最後に、昨年11月下町芸術祭 「KOBE-Asia Contemporary Dance Festival #4」にご出演頂くなど、長年にわたってご一緒した首くくり栲象さんが2018年3月31日に亡くなられました。神戸映画資料館での映画上映プログラム「首くくり栲象―その生の行為」に関連して、首くくり栲象と黒沢美香 ふたりの声とことば サウンド・インスタレーション」を、ArtTheater dB神戸にて5月19日、20日に行ないます。

     これらのダンスボックスの活動を協働するボランティアスタッフを募集します。今年度は、照明等の技術講座〜入門編〜、ダンスWSファシリテート研究会等も開講します。入門編は経験を問いません。ボランティアに興味のある方も奮ってご参加ください。(6月・7月)

     また、ダンスボックス会員 donBuriクラブのメンバーも募集中です。7月13日(金)にスペシャル丼パーティーを企画しています。特製丼や、パフォーマンスもご用意しますので、お気軽にご参加ください。

    2017年6月開催「丼(どんぶり)クラブはじまり!DonDon Thanks Party」 

     蓋をあけると、例年通り盛り沢山のプログラム展開となりました。まだ申請中や計画中の企画も多数控えております。どうぞお楽しみに!

     皆さまのご来場・ご参加・ご応募をスタッフ一同心よりお待ちしております。

  • 2017年 Asia-Contemporary Dance Festival
  •  ジェコ・シオンポ『神戸を前にして チキン&アイスクリーム』