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【K-ACDF】ジェコ・シオンポ インタビュー | BLOG | NPO DANCE BOX

2017.11.2

【K-ACDF】ジェコ・シオンポ インタビュー

INTERVIEW

下町芸術祭2017オープニングパフォーマンス、ジェコ・シオンポ『神戸を前にして』。今回はDANCE BOXの周辺にある商店街を舞台に、国内ダンス留学6期生を始め、新長田の子どもから大人まで総勢約60名が踊ります。その中で普段公務員として働き、そしてペンギンチームとしてダンサー出演される増田匡さんがインタビュアーとなり、振付のジェコ・シオンポ(以下、「ジェコ」表記)にお話しを伺いました。

 

………………………………………………………………………………………

 

(横堀)ではまず始めに、増田匡さんをご紹介させて下さい。早速ですが、ご自身でしていただいてよいですか。

 

-名前がマスダタダスと言います。新長田に半年ほど前から住んでいます。新長田の街が好きで引っ越してきました。仕事は神戸市役所の職員です。専門は建築で、今はたまたまこの辺りの街づくりの仕事を担当しています。5年前からDANCE BOXと関わらせていただくようになりました。ダンスを見るのが大好きです。見るだけでしたけれども、今回は踊るようになりました。ジェコさんは私の先生です。

 

ジェコ:出演者に入って頂いて、すごく嬉しく思っています。

 

-いえ、こちらこそ。いつも楽しく踊らせて頂いてます。テレマカシ(ありがとう)

 

ジェコ:サマサマ(こちらこそ)

 

-いくつか簡単な質問をさせて頂きたいと思います。まず一つ目が、アニマルポップのダンスについて少しお聞きしたいです。いつも出てくる「このポーズ」これは何の動物ですか?

ジェコ:「このポーズ」というのは一つの動物を特定した形とか、この動きをこういう風に見せたいという限定はしていません。いろんな動物から受けたインスピレーションを元に形や動きを作っています。とても良く使う形っていうのはその一部ではあるんですが、パプアニューギニアに「カンガルーの木」というものがあるんですが、その木からたくさんのインスピレーションを得て、それを元に一番良く使う形を作りました。

 

-木?!なるほど。

 

ジェコ:そのような形そのものをしているのではなく、その木を見て絵を描いたり、その木が成長したりとか色んな事からインスピレーションを得て、思いついたり感じた形が今の基本形になっています。

 

-なるほど。今一緒に練習しているグループのみんなで、「これは何や?」って話をしてました(笑)

 

ジェコ:もう一つ意味があって、生命が誕生した時、動物も人間もそうですけど、体から出てきた時にその様な形をしている。そういう二つの意味をもっています。

 

-じゃあ後で、カンガルーチームのみんなに伝えます。

 

ジェコ:ありがとうございます。

 

-サマサマ。では、hip-hopに動物の要素を取り入れたきっかけ、もしくは理由って何なんでしょうか?

 

ジェコ:まず僕は、インドネシアの全ての島の端から端まで伝統的なダンスを学んで研究していました。しかしその前からずっと、動物の動きの真似をすることを自分ではしていたんです。いわゆる僕の原点というものになりますね。その伝統的なものを学べば学ぶほど、色んな島にある伝統的な踊りの中に動物の動きというのがものすごく出てきました。その時、自分がもう既に出会っていた動物の動きとすごく密接な関係にあるなという風に気がついていって。そうやってインドネシアの色んな伝統芸能を学んでいきました。その後奨学金を得てアメリカに行ってhip-hopと出会って、出来ることなら一緒にして、新しいものが作れたらと思ったのがきっかけです。

 

-じゃあ元々、伝統的な踊りの中に、既に動物の動きの要素がたくさん入っていた、ということなんですね。確かアメリカのポートランドでhip-hopを勉強されたんですよね?hip-hopを学ばれたきっかけというものは何かあるんですか?

 

ジェコ:初めて行ったのは、ダンスのワークショップをするということで招待を受けて行ったんです。その行った先にバレエなど色んなクラスがあって、もちろんhip-hopもありました。本当は教える目的で招聘されたんですがどのクラスに入ってもOKということだったので、リズム感にすごく興味を惹かれたhip-hopのクラスをたくさん受けたんです。

 

-そっか、そっか。ジェコさんは伝統的な踊りを学ばれたっていうことなんですけど…。以前パプアでは皆小さい頃から「狩猟」を学ぶっていう話をどこかで聞いたことがあるんですが、パプアでは子どもの頃から伝統的な踊りというものを学ぶものなんでしょうか?

 

ジェコ:僕が小さい時もそうでしたが、小学校に上がる前の子どもたち全員狩猟をしながら、誰に教えてもらうわけでもなく踊りというものもやっています。今現在も若い世代だと、他の島に行って違うものを学ぶ人も居ますし、そうじゃない人も居ます。

 

 

-アニマルポップファミリーにはすごくたくさんのメンバーが居ると聞いたんですけども、小さな子どももたくさん参加しているようですね。その子どもたちに踊りを通じて何か伝えたいことはあるのでしょうか。

 

ジェコ:僕たちがやっているスクールには4つのクラスがあって、一番小さいクラスは5歳から8歳までの子どもクラスがあります。本当にたくさんメンバーがいるんですが、まずはみんなに踊りをしてほしい。特に自分が生みだした新しいアニマルポップというものを広げていきたいという気持ちがあります。それと同時に学校だけではなくて、友達や同世代ではない人たちと踊りを通して、関わり方や考え方を広げるとともに、その広げるということは楽しいということを知ってほしいです。広くいうと人生ですね。学校では学べない、社会とかそういったものを踊りを通して学んでいってほしいと常に思っています。

 

-確かにダンスもそうですし、芸術・アートと社会との関わりを考えることが非常に重要やなあと私自身も思っています。

 

ジェコ:それは本当にとても大切なことだと思います。学校だけだと、例えばあまり発言ができなかったり、友達ができなかったり、親ともあまりコミュニケーションが取れなかったりする子どもも、踊りを通して世界や彼ら自身の心が広がっていく。そのことで色んな人とのコミュニケーションが取れるようになったりして。その状態を目の当たりにしているので、それは本当に重要なことだと思ってます。

ジャカルタにはバレエの教室やhip-hopの教室もたくさんありますが、僕たちが目指しているのは踊りの動きをやって終わりということではなくて、彼らの世界を広げるということがすごく重要なものと考えているので、彼らの精神的なこともアニマルポップを通じて教えることができればと常に考えています。

 

-このテーマでまだまだ話をしたいのですが時間がないので次のテーマに。

 

ジェコ:まだたくさん時間はあるので、聞きたいことがあったらまたお話し出来たら嬉しいです。

 

-ありがとうございます。

 

ジェコ:どういたしまして。サマサマ。

 

-この新長田の街について少しお聞きしたいと思います。新長田は2回目ですかね?

 

ジェコ:2013年に来ました。

 

-新長田の街の印象ってどうですか?

 

ジェコ:ここは震災の時にすごく大きな被害を受けたというふうに聞いていて、そのせいもあってだろうと思いますが、そんなに混雑している街ではないなと思います。そしてここにいると平和だなという気もして、心が落ち着く街というふうに思っています。

 

-港が近いんですけど、見には行かれました?

 

ジェコ:朝とかよく散歩に行きます。

 

-私は山も海もあって・・・どう言うんですかね?街自体もすごく路地が多くて細い道も多い。古い家も沢山あって新しいビルも混ざって、っていうこの街並みっていうのがとっても大好きなんです。

 

ジェコ:山の方にも行ったことがあって。石が沢山ある山だったなと印象に残っています。

 

-最後に今回のパフォーマンスについてお聞きしたいんですが、今回の振付を考える中で、新長田とか神戸の要素とかは意識されてますか?

 

ジェコ:振付の動きに関してはやはりアニマルポップを基本としていますが、全体はストーリーのあるものにしたいと思っているので、その中に長田の街というのをこれからどんどん作品に取り入れていきたいと思ってます。

 

-とても期待しています。頑張って踊りたいと思います。

今回のパフォーマンス全体を通じて、観客の皆さんに伝えたいことがあれば教えていただきたいです。

 

ジェコ:さっき仰ったように、この街には色んなものがギュッと詰まっているとすごく感じています。今回のメンバーというのも、日本だけでなく色んなところから集まって、色んなバックヤードの人が集まって一つのものを作っていますよね。そういうところからも新長田の街に通ずるところがあると思っています。メッセージとしては、新長田を表現しているということを見ている方に分かっていただきたいですし、見ている方自身がもし遠くから来て下さっているなら、外で踊りを見ている間、ここに住んでいる人々を演じているんだということを感じていただけたらと思います。

このアニマルポップを通じて関係した皆さんが「家族のように一つになる」ということが僕の大きな目的であるし、大きな希望でもあります。

 

-まさにアニマルポップファミリー。では今日は本当にありがとうございました。テレマカシ〜。

 

ジェコ:はい。サマサマ〜。

 

 

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ジェコ・シオンポ|アニマル・ポップ・ファミリー・コウベ

『神戸を前にして』

カンガルー、カエル、鳥、キングコングなどの動物から着想を得た動きが、ヒップホップと混ぜ合わさった〈アニマル・ポップ〉というニュー・スタイルのダンス。このスタイルを編み出したのは、インドネシア・パプア地方出身のジェコ・シオンポ。とうの昔に忘れてしまった動物的感覚を蘇らせるべく、ジェコがここ新長田に滞在し、アニマル・ポップ・ファミリー・コウベを結成する。今日はハレの日、街全体が野生の祝祭につつまれる。

パフォーマンス:60分

 

〈パフォーマンス〉

11月3日(金/祝)、4日(土)、5日(日) 14時から

※5日終演後、アフタートーク開催予定。

会場:大正筋商店街〜六間道商店街〜本町筋商店街

   (集合:ArtTheater dB 神戸 建物1階ロビー)

ご予約はこちらから

 

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